石垣島のカリー観光バス

カリー観光は、沖縄県内で路線バスと貸切バスを展開するバス事業者です。2005年に設立された比較的新参の事業者で、同年に貸切バス事業を開始し、2015年に路線バス事業に参入しました。
カリー観光が運行するバス路線のうち、唯一沖縄本島の外で運行しているのが、南ぬ島石垣空港~石垣港離島ターミナル線です。2015年に同社初の乗合バス路線として開業しました。
2024年5月現在、同路線は1日18往復が運行されています。充当されるのは路線バスタイプの車両6台で、いずれも本土の事業者で使用されていた車齢20年前後の移籍車です。
カリー観光石垣営業所の路線
カリー観光が石垣島で運行する唯一の路線が、南ぬ島石垣空港~石垣港離島ターミナル線です。
現在の石垣空港は、正式には「新石垣空港」といい、2013年に旧空港から移転開業しました。石垣市の市街地や、八重山列島への玄関口である石垣港からは、直線距離で10kmほど離れた場所に所在しています。

もともと石垣島では、アメリカ統治時代に創業した東運輸が、島内の乗合事業を一手に引き受けており、市街地からの空港アクセスも同社が担っていました。
2014年、当時石垣島で貸切バス事業を営んでいたカリー観光が、南ぬ島石垣空港~石垣港離島ターミナル間の乗合路線の開業を申請します。石垣市が離島ターミナルのバス停新設許可を1年近く出し渋る等の不穏な動きもありましたが、申請から1年以上が経過した翌2015年6月に開業し、カリー観光は路線バス事業への進出を果たしました。
一時は石垣空港で客引きまがいの行為が行われるなど、競争がヒートアップしたこともあったようですが、現在では「石垣港直行のカリー観光」「きめ細かな停留所と島内路線網の東運輸」とうまく棲み分けがなされ、2社体制が定着してきたように思われます。
運行本数は、増便、コロナ禍による減便と復便、再度の減便等を経て、現在は8時台から18時台まで、一日18往復となっています。

なお、島内でカリー観光が運行する路線は1本しかありませんが、ご丁寧に「55」という系統番号が設定されています。競合する東運輸では系統番号を設定しているため、これに合わせて設定した可能性があります。しかし、東運輸は10番台までしか使用していないため、いきなり「55」を割り当てた番号体系がどのような法則性に基づいているのかは不明です。また、系統番号は行先表示器を使用している車両(使用していない車両もあります)の表示器上と時刻表上でのみ掲示しているに過ぎず、乗換アプリや車内アナウンス含めて、旅客案内上での活用は他にありません。
カリー観光石垣営業所の車両

カリー観光の石垣島での運行拠点が、石垣市大浜に所在する同社石垣営業所です。
ここでは、同社線の運行を支えるバスが配置されています。2024年5月現在は6台の車が運用に入るようです。なお、現在の在籍車両は、すべての本土の事業者からの移籍車です。
沖縄200か1606

2007年式 PJ-LV234L1 ワンステ もと川崎鶴見臨港バス 1T342
2024年5月時点での石垣営業所の最新鋭車で、カリー観光初となる臨港中古です。同所ではこれでいすゞLVの導入が4台続いたことになります。2023年11月に臨港で廃車となった後、翌2024年3月にカリー観光でデビューしました。
外装は臨港時代の塗装をほぼそのまま残しており、窓下に配されたミンサー柄の帯と、臨港塗装に上貼りされた公式側の広告ラッピングが、カリー観光の車であることを主張しています。
カリー観光では、2024年3月19日より、クレジットカード等のタッチ決済での運賃支払いサービスを開始しましたが、同車は登場時からこのタッチ決済に対応しており、公式側にはタッチ決済が可能なANAの決済サービス「ANA Pay」のラッピング広告が施されています。

行先表示器は、これまた臨港時代そのままと思わるオージ製のものが装備されており、系統番号と起終点を表示しています。ただし、側面の行先表示器は、離島ターミナルの「―ミナル」以降だけが短冊1列目に縦書きで表示される、独特の表記となっています。これは、同じオージ製でも他車が搭載している5列短冊のサイズに合致したデータを使用していることで、1606の4列短冊では最上段の文字が収まりきらず、短冊1列目にはみ出して表示されているものと思われます。
最新鋭車であり、自社で使用可能な決済サービスの広告掲出車ということもあり、稼働率は6台の中で最もよく、ほぼ毎日運用に就いている印象です。タッチ決済対応以降、石垣営業所では、タッチ決済関連の広告掲出車が優先的に運用入りする傾向にあります。
沖縄228か・281

2005年式 PJ-LV234L1 ワンステ もと京成トランジットバス M224
2022年ごろに導入された京成トランジット中古で、石垣営業所で初のPJ-代の車両です。2021年~22年頃?まで同車で活躍した後、カリー観光に移籍しました。沖縄228ナンバーのため、石垣島で登録した車であることが分かります。
外装は全面白塗装に塗り替えられており、1606と違って元事業者の印象は薄めですが、中扉の注意書きから京成系であることは容易に判別できます。窓下には、カリー観光シンボルのミンサー柄の帯がステッカーで貼り付けられています。
移籍元から引き継いだと思しきオージ製の行先表示器が装備されており、系統番号と始点・終点が表示されます。
石垣営業所の中では新顔の部類ですが、ラッピング広告が掲出されていないためか、最近では2~3週間運用に入らないことも珍しくないようです。
沖縄228か・280

2005年式 KL-LV280L1 ワンステ もと京成トランジットバス M220
281と同時期に導入された京成トランジット中古ですが、こちらはKL-です。2005年式なので、KL-LV280としては最末期の製造です。石垣営業所としてはこの車がLVワンステ初導入でしたが、その後同仕様が2台続いています。
外観も281と同様の塗り替えがされていますが、1606と同様のANA Payのラッピング広告が施工されています。ラッピング広告のためか、より車齢の若い兄弟車281よりも頻繁に運用入りしています。
沖縄200か1483

2005年式 KL-LV280L1 ノンステ もと東武バスイースト 社2698
2021年頃に導入された東武中古です。当時岐阜バス中古のふそうを集中的に導入していたカリー観光が初めて導入したいすゞLVであり、その後は現在に至るまで、関東大手事業者からLVの導入が続くことになります。まもなく車齢19年目を迎えますが、石垣営業所のノンステ車としては最新鋭車です。
外観は元事業者を彷彿とさせるクリーム色の塗装に、ミンサー柄の帯が配されています。移籍元から引き継いだと思しきレシップ製の行先表示器を搭載していますが、オージ製以外は対応していないためか使用されておらず、前後面はステッカーで蓋をされています。ミラーは一部事業者で見られる「幽霊ミラー」を移籍元から引き継いでいます。

この世代の東武LVは、ノンステ部分が向かい合わせのベンチ型式の座席になっており、非公式側座席は車椅子スペース確保のため跳ね上げが可能となっています。石垣島では車椅子乗客の有無に関わらず常に跳ね上げた状態となっており、観光客がスーツケース等の嵩張る荷物を置くスペースとして活用されています。
タッチ掲載の広告非掲出車のため運用入りの機会は比較的少なく、2~3週間運用から外れることもままあります。
沖縄228か・261

2003年式 KL-MP37JK ノンステ もと岐阜乗合自動車 385
総勢5台が導入され、石垣営業所の一時代を築いた岐阜バス中古のKL-MPノンステ。その生き残りの1台です。車齢21年目を迎えていますが、現在でも石垣営業所の主力車両として活躍しています。
外観は元事業者の白地に赤線の塗装がほぼそのまま残っており、その上から無理矢理ミンサー柄の帯をステッカーで貼り付けたような形となっています。行先表示器については、1483同様、ステッカーで「封印」されています。
2019年から2020年ごろにかけて、カリー観光は石垣営業所に岐阜バス中古のKL-MPを4台(沖縄228か・254、255、256、261)集中的に配置しました。岐阜バスMP軍団は、当時石垣営業所の主力車両だった貸切落ちのセレガやエアロを一気に置き換え、一躍最大勢力として君臨しました。2021年には255が不調により早期退役しましたが、代わって沖縄200か1509が投入されたことで、石垣営業所に投入された岐阜バスMPは総勢5台となりました。
近年ではLVの導入により、不調の車から代替が開始され、現在でも運用に就くのは2台のみとなっています。その中にあって、261はタッチ決済広告が掲出されていることもあり、1606や280と同じようにほぼ毎日運用入りしています。
沖縄228か・256

2003年式 KL-MP37JK ノンステ もと岐阜乗合自動車 337
岐阜バスKL-MPの生き残りの片割れです。261と同型式・同年式の車両ですが、運用入りの機会は少ないようです。
外観は261同様、移籍元事業者ほぼそのままですが、こちらは261と違い前面フロントパネル部分が白地で再塗装されており、印象が微妙に異なっています。
タッチ決済広告が掲出されていないためか、運用入りの機会は少なく、1483同様、数週間運用入りしないことも珍しくありません。
2024年5月現在、上記6台の車両で3つのダイヤを回しているようです。ダイヤ数と比較して車両数の余裕があるため、タッチ決済広告がない車は長期間運用入りしないこともざらにあります。
このほか、沖縄228か・254もナンバーをつけて車庫に留置されていますが、タッチ決済の対応がなされていないため、既に運用から離脱しているものと思われます。
※カリー観光敷地内での撮影は、事業者の許可を得て行っています。
第43回柏まつりに伴う路線バス運行への影響②
2023年7月29日から30日にかけて、第43回柏まつりが開催された。コロナ禍による中断を挟んだ4年ぶりの開催であり、例年より多い81万人の人出を記録するなど、大盛況となった。
会場となった柏駅前では大規模な交通規制が実施された。規制時間中は駅周辺に臨時バス乗降場が設置され、路線バスには迂回運行や停留所の休止等の影響が発生した。
本記事では、柏駅東口発着系統に発生した影響について記す。
柏駅西口発着系統に発生した影響については、以下記事を参照。
柏駅東口発着系統への影響

柏駅東口も駅前ロータリーが交通規制区域内となったため、臨時乗降場が東町付近(駅から約600m地点)に設置された。これにより、各系統に迂回運行や停留所の休止等の影響が生じた。
臨時乗降場からの発着は、29日が13時~終車まで、30日が10時~終車まで実施された。
東武バスセントラル(沼南営業所)
東口は交通規制区域が広かったことから、各系統は大幅な迂回運行を行うこととなり、複数停留所の休止が発生した。
旧道・常盤台方面の各系統は、旧水戸街道が柏一丁目~NTT柏前間付近まで通行止めとなった影響で、若葉町の交差点から郵便局通りを迂回運行した。
新田原・沼南方面の各系統は、東町から北がまるまる交通規制区域となったため、同区間は運行を休止し、郵便局通りを経由して東町付近で折り返した。
| 系統 | 運行区間 | 当日の運行 |
|---|---|---|
| 柏34 | 柏駅東口~常盤台~新柏駅 | ・柏洋スイマーズ前~柏駅東口間を郵便局通り経由で運行 ・NTT柏前、柏一丁目、柏神社、柏二丁目の各停留所は休止 |
| 柏28 | 柏駅東口~常盤台~名戸ヶ谷 | |
| 南柏02 | 柏駅東口~南柏駅東口~豊住~酒井根 | |
| 柏22 | 柏駅東口~小野塚台 | ・東町→柏駅東口、柏駅東口→学園入口間を臨時経路で運行 ・東町(沼南・名戸ヶ谷方面)、柏神社、柏二丁目の各停留所は休止 |
| 柏25 | 柏駅東口~布瀬 | |
| 柏27 | 柏駅東口~手賀の丘公園 | |
| 柏31 | 柏駅東口~セブンパークアリオ柏前~沼南車庫 | |
| 柏35 | 柏駅東口~工業団地中央~沼南車庫 | |
| 柏26 | 柏駅東口~南柏駅東口 | |
| 柏29 | 柏駅東口~新田原~名戸ヶ谷 | |
| 柏33 | 柏駅東口~新田原~新柏駅 |
阪東自動車
折返しの都合上、各系統とも柏駅方面の便が、手賀沼はくちょう通り→県道市川柏線(r51)を経由する大幅な迂回を行った。
| 系統 | 運行区間 | 当日の運行 |
|---|---|---|
| 祭51 | 柏駅東口~慈恵医大柏病院 | ・第五小学校→柏駅東口、柏駅東口→長全寺前間を臨時経路で運行 ・桜台、東上町、長全寺前(以上柏駅方面のみ)、柏二丁目、柏駅入口の各停留所は休止 |
| 祭54 | 柏駅東口~大津ヶ丘団地 | |
| 祭55 | 柏駅東口~東我孫子車庫 | |
| 祭53 | 柏駅東口~戸張 | ・第五小学校→柏駅東口、柏駅東口→長全寺前間を臨時経路で運行 ・葉山、柏法務局入口、柏六丁目、長全寺前(以上柏駅方面のみ)、柏二丁目、柏駅入口の各停留所は休止 |
フォトギャラリー









右折待ちの祭53の355



左から、柏22(社2803)、柏31(社2806)、祭55(303)、祭53(355)、柏28(社2768)










本数は平常時と変わらず、時刻は平常時における東町の発車時刻が設定されている。


'80年代まで採用されていた旧塗装をモチーフとしたデザイン

本数・時刻ともに平常時の柏駅から変化はない。



14:00発が運休となっているほか、18時台以降は柏駅発時刻から+1分されている。

12:26発、13:39発、18時台以降の便は柏駅発+1分で設定されている。


本数は平常時から変化ないが、18時台以降が柏駅発+1分で設定されている。

本数は平常時から変化ないが、18時台以降が柏駅発+1分で設定されている。


本数は平常時から変化ないが、18時台以降が柏駅発+1分で設定されている。

本数は平常時から変化ないが、18時台以降が柏駅発+1分で設定されている。

7月29日は12:47発、7月30日は09:47発で運行休止となる旨が記載されている。

7月29日は12:28発、7月30日は09:28発で運行休止となる旨記載されている。

7月29日は12時台、7月30日は9時台で運行終了となる。

この先の臨時乗降場からの発着となる旨のお知らせが掲出されている。

規制時間中は時刻表に蓋をされ、臨時乗降場の降車場として使用された。

7月30日には案内書きが追加されていた。
第43回柏まつりに伴う路線バス運行への影響①
2023年7月29日から30日にかけて、第43回柏まつりが開催された。コロナ禍による中断を挟んだ4年ぶりの開催であり、例年より多い81万人の人出を記録し、大いに盛り上がった。
会場となった柏駅前では大規模な交通規制が実施された。規制時間中は駅周辺に臨時バス乗降場が設置され、路線バスには迂回運行や停留所の休止等の影響が発生した。
本記事では、柏駅西口発着系統に発生した影響について記す。
柏駅東口発着系統に発生した影響については、以下記事を参照。
柏駅西口発着系統への影響

柏駅西口は駅前ロータリーが交通規制区域内となったため、臨時バス乗降場がR6北側(駅から約300m地点)に設置された。これにより、各系統に迂回運行等の影響が生じた。
臨時乗降場からの発着は両日ともに13時~終車まで実施された。
東武バスセントラル(西柏営業事務所)
臨時乗降場は路上に設置されたため、転回を行うことができない。そのため、各系統は迂回して環状ルートでの運行を行うか、臨時転回場で転回を行った。
高田車庫・柏の葉方面の系統は、柏駅行が豊四季台団地を迂回運行することで、「6」の字状の循環ルートでの運行とした。免許線および流山駅線は、東葛高校北側を通る臨時経路を運行することで、「d」の字状の循環ルートでの運行とした。
若柴、布施、花野井方面の各系統は、柏中学校校庭の一部を臨時転回場として使用した。臨時降車場で客扱いを行った柏駅到着便は、R6→柏中学校まで回送後、校庭の一部を使用して設営された臨時転回場で転回し、臨時乗り場へ回送された。
なお、運行本数の大幅な増減はあったものの、停留所の休止は発生していない。
| 系統 | 運行区間 | 当日の運行 |
|---|---|---|
| 柏01 | 豊四季台団地循環 | ・13時台発の便を向原住宅先回りで運行 |
| 柏02 | 市内循環 | ・13時台発の便を松ヶ崎先回りで運行 ・一部便が、柏第七小学校入口→柏駅西口間を豊四季台団地経由で運行 |
| 柏15 | 柏駅西口~高田車庫 | ・柏駅行の一部便が、柏第七小学校入口→柏駅西口間を豊四季台団地経由で運行 |
| 西柏01 | 柏駅西口~県民プラザ・国立がん研究センター | ・柏駅行の全便が、柏第七小学校入口→柏駅西口間を豊四季台団地経由で運行 |
| 西柏02 | 柏駅西口~柏の葉キャンパス駅西口 | |
| 柏06 | 柏駅西口~流山駅東口 | ・柏駅行の全便が、豊四季幼稚園→柏駅西口を臨時経路で運行 ・柏中学校前(柏駅方面)は東葛高校正門付近に臨時停留所を設置 |
| 柏06 | 柏駅西口~八木中学校前~免許センター | |
| 柏16 | 柏駅西口~免許センター | |
| 柏05 | 若柴循環 | ・柏駅西口はR6左折車線に臨時降車所を設置 ・柏駅西口では柏中学校校庭に設置された臨時転回場で折り返し |
| 柏09 | 柏駅西口~若柴・柏の葉キャンパス駅東口 | |
| 柏03 | 柏駅西口~柏たなか駅東口・市立柏高校 | |
| 柏14 | 柏駅西口~東急柏ビレジ | |
| 柏04 | 柏駅西口~布施弁天 | |
| 柏11 | 柏駅西口~三井団地 |
フォトギャラリー
当日の路線バス運行の様子を撮影した写真を以下に掲載する。

柏まつりに伴う迂回運行の全体図










後続は西柏01

後続に西柏01、柏01













本数・時刻ともに平常時の柏駅西口から変化はない。


平常時から時刻・本数ともに変更はない。
15:20発がんセンター行が2つ記載されているのは、ミスタイプと思われる。



本数・時刻ともに、平常時の柏駅西口から変更はない。
市内循環は、駅到着後に高田車庫へ向かう便のみ、
車両の向きの関係上、団地経由で迂回となる(☆印)。


本数・時刻ともに平常時の柏駅西口から変更はない。


本数・時刻ともに、平常時の柏駅西口から変更はない。

13時台の市内循環は松ヶ崎先回りのため、
当停留所を通過しない旨が記載されている。

13時台以降は、柏02市内循環(駅到着後、高田車庫へ向かう便を除く)および、
柏15の一部便(駅到着後、3~5番乗り場に流れる便)のみが通過するため、
通常時の1~2割ほどの本数となっている。



13時台が向原住宅先回りでの運行となる旨、
および柏駅西口臨時乗降場の地図が掲載されている。

西柏01、西柏02、柏15、柏02の迂回運行に伴い、
ICカードの乗車処理を必ず行うよう注意喚起がされている。
※西柏の路線車の運賃箱は、ICカードに乗車履歴無の場合は
自動的に始発地からの運賃を差し引く仕様だが、
豊四季台団地線は全線均一運賃のため、
日常的にICカードの乗車処理を省略している利用客が、一定数いるものと想定される。
11/2 東武バスイーストで深夜バス運行再開
東武バスイーストでは、平日概ね23:15以降に始発停留所を発車する便を通常の2倍の運賃を徴収する深夜バス(運賃割増系統)として運行していました。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い2020年4月20日より全路線で運休していましたが、同11月2日より一部便で運行を再開しました。
運行を再開したのは以下の便です。
[西柏01]柏駅西口→県民プラザ 23:20発、23:45発
[柏09]柏駅西口→柏の葉キャンパス駅東口 23:30発(同時に行われたダイヤ改正により改正前の23:23発から時刻変更)
[南柏05]南柏駅東口→南部クリーンセンター 23:44 発
このうち柏駅西口発の2路線については、運行を再開して3日目の11/4の夜に様子を見てきたので、画像を掲載します。


発車案内板に表示される[西柏01]23:20と23:45の文字。
なお0:10発は引き続き運休しています。


この日の23:20発県民プラザ行は社2962でした。深夜バス専用幕で待機します。
10名弱くらいは乗っていたでしょうか。



この日は社2780が充当されていました。
[西柏01]よりは乗客は少なかったような気がします。
なお、以下の深夜バスは11月5日現在も運休中です。
[柏01]柏駅西口→豊四季台団地循環→柏駅西口 23:23発
[柏41]柏駅西口→団地センター前→高田車庫 23:52発
[西柏01]柏駅西口→県民プラザ 0:10発
[北柏01]北柏駅→北柏ライフタウン循環→北柏駅 23:15発
[北柏01]北柏駅→北柏ライフタウン 23:20発、23:41発、0:01発
[柏31]柏駅東口→沼南車庫 23:30発、23:47発
[柏31]沼南車庫→柏駅東口 23:19発
コロナ禍をきっかけとした生活様式の変化による移動需要の減少は短期的なものではないとも言われる中で、同じ運輸業界ではJR東日本など大手鉄道会社が終電の繰り上げを決定しています。
そのような状況で、これら運休中の深夜バスが最終的にどのような処遇となるか注目されます。
「八木中学校前」という停留所
流山市芝崎に「八木中学校前」というバス停があります。
東武バスイーストの停留所で、系統番号でいうと主に[柏06]、柏駅西口~芝崎~流山駅東口線と、その区間便である柏駅西口~免許センター線が経由します([柏07]も経由しますが本数が少ないので今回は無視)。

その構造は、バスが通行する流山市道旧3号線を挟んでポールが設置されているといういたってシンプルなものですが、道路事情に恵まれていない当地のバス停としては珍しく流山方面の車線にバスベイが設けられている点が特筆されます。

さて、柏方面のポールを遠目に見るとぼんやりと時刻表が確認できますが、なにやら頼りなさそうな本数。柏駅行は3……4本……?この辺りの住民はバス全然使わないんですね……。

と思いきや、よく近づいて見ると大量の青文字柏駅西口行が発生しています。普通にめっちゃある。そして「青文字の時刻は反対側バス停からの発車となります」の文字。
でも車線的にいうとこちらが柏方面なんです。どういうことでしょう?

バスベイがある流山方面の凄い苔が生えてるポールを確認します。

密です。日中でも毎時6本、朝夕は毎時12本バスが発着するという、周囲の緑豊かな景観とはかけ離れた過密ぶり。
そして重要なポイントとして、起点方面(柏駅西口)と終点方面(流山駅東口&免許センター)が同一バス停に同居しています。
つまり、

柏駅西口(起点)行も、

免許センター(終点)行も
同じこのポールから、同じ方向に向けて発着していくということです。

まとめるとこういう感じです。バスベイ側ポールへの偏りが凄い。地元の人でもついついバスベイ側ポールに並んじゃって、たまに反対車線を発着する柏駅西口行の存在を忘れて逃してそう。
一体これはどういうことなのでしょうか。
[柏06]免許センター便の運行経路

この不思議なバス停構造は、[柏06]全便の9割以上を占める柏駅西口~免許センターの区間便の変則的な運行ルートに起因しています。
上図は、柏駅西口~免許センター間の運行経路を示した地図です。
赤字が柏駅西口→免許センター(下り)、青字が免許センター→柏駅西口(上り)、黒字が柏駅西口~流山駅東口の運行ルートを示しています。
八木中学校前付近のルートが環状を描いていることが分かります。

見苦しい図で失礼しますが、八木中学校前付近を拡大したのがこちらです。
そもそも、免許センターは実は八木中学校前よりも柏側に位置しています。そのため、柏方面から免許センターに向かう際は富士見橋交差点で左折するのが最短経路です。
しかし柏駅西口→免許センターの下り便はそのルートをとらず、富士見橋交差点を直進します。そのまま八木中学校前を通過し古間木交差点を右折、八木南団地内を走行し、団地坂下、流山高等学園前のバス停を経由した後、再びたどり着いた富士見橋交差点を南方に直進、免許センターに向かうという遠回りな経路をとります。
では免許センター→柏駅西口の上り便はどういう経路をとるのかというと、こちらも八木南団地を経由するルートをたどります。ただし、下り便と全く逆のルートをたどる訳ではなく、環状部は下り便と同じ方向に走行します。すなわち、免許センターを出たバスは富士見橋交差点を左折、八木中学校前、団地坂下、流山高等学園前を経由した後、再びの富士見橋交差点を左折して柏駅に向かうというルートを辿るのです。
一方、柏駅西口~流山駅東口線はそもそも八木南団地にも免許センターにも入らないため、旧3号線から外れることなくストレートなルートを辿ります。
長々と書きましたがまとめると、
- 免許センター便は全便八木南団地まで足を伸ばす
- 八木南団地環状部は上下便ともに同じ方向に巡回する
- 柏~流山便は八木南団地にも免許センターにも入らない
ということになります。

この点を踏まえると、先ほどの八木中学校前停留所のいびつな本数差も理解しやすくなります。
八木中学校前停留所は八木南団地環状部に位置するため、免許センター便は上下便ともに同じ車線を八木南団地方面へ向かいます。一方で1日4往復の柏~流山便は通常通り上下別々の車線を通過します。結果として、免許センター便が通る方の車線に便数が偏り、反対側の車線には流山駅東口始発の柏駅西口行が1日4本しかやってこないという訳なのです。
それにしても、一体なぜこのように複雑なルート設定になっているのでしょうか。
その理由には、歴代の[柏06]系統が辿ってきたルートが関係しています。
[柏06]系統の歴史
そもそも現在の[柏06]系統が開業したのは、今から58年前の1962年に遡ります*1。当時は柏駅西口~流山広小路を結ぶ系統として開業し、1日5往復が設定されていました(今とほぼ変わらないですね)。開業時にはまだ区間便の設定はなく、全便が現在の柏~流山便とほぼ同じルートで運行されていたものと思われます。


開業直後(あるいはそれ以前)から、東京都市圏の人口増・柏の衛星都市化に伴い沿線各地で宅地開発が盛んに行われるようになります。上記の空中写真によれば八木南団地も1965年頃から造成が本格化しています。このように沿線人口が急増する中で、柏駅への生活輸送を支えるために八木地区までの区間便が運行されるようになったものと推測されます。

1976年頃に製作されたと思われる路線図(フォロワー様よりご提供いただいた資料)
八木南小学校前止まりの系統が確認できる。
1972年の時点では、柏駅西口~八木南小学校前(現在の八木中学校前)間に4本の区間便が運行されていました*2。当時はまだ八木南団地を巡回するルートではなく、団地坂下停留所は未開業でした。1976年頃に製作されたと思しき路線図でも、八木南団地環状部は未開業であることが確認できます。

1977年10月、バスのワンマン化に伴い、八木南小便は全便八木南団地を巡回して折り返すルートに変更となります*3。おそらくそれまでは路上や狭いスペースで転回していたものが、ワンマンでは車掌による誘導がなくなるため保安上許可が下りなくなったのでしょう。そこで編み出されたルートが、柏駅西口から来たバスが終点・八木南小に到着すると、そのまま柏駅西口行となって出発、団地坂下停留所を経由して富士見橋交差点から従来の経路に合流、というものでした(上図参照)。これで新たに転回場を確保することなく折り返し運行を継続することができます。

八木中学校前停留所の流山方面のバスベイは、おそらくこのタイミングで整備されたものと思われます。新たなルートでは、折り返しのバスが発車時刻まで八木南小停留所で数分の間待機するシーンが想定されるため、これが交通の妨げとならないように整備されたものでしょう。空中写真でも、1975年にはなかったスペースが1979年時点で確認できます。
1980年には八木南小学校が流山市芝崎の現在地に移転し、跡地に流山市立八木中学校が開業します。この頃に停留所も八木中学校前に改称されたものと思われます。
1999年4月、流山市前ヶ崎に流山運転免許センターが開業し、八木中学校前止まりのバスのうち大部分が免許センターまで延伸されます*4。この時「八木中学校前止まりの延長」というかたちをとったため、免許センター便は最短経路をとらずに一度八木南団地まで足を伸ばす遠回りのルートとなり、八木中学校前停留所においては以前と変わらない本数が確保されました。
また、東武が新たな停留所乗り場設置の手間を嫌ったのか、はたまた何か物理的な制約があったのか分かりませんが、八木南団地環状部は上下の別に関わらず従来の八木中学校止まりと同じ一方向にのみ通行するルートが設定され、現在の複雑な運行経路が完成します。

八木中学校止まりの便は朝夕を中心にこの改正でも残置され、一時は免許センターが営業していない土日の昼間に復活する等しましたが、2005年8月のつくばエクスプレス開業に合わせたダイヤ改正に合わせて廃止されました。
こうして八木中学校前には、車線間のいびつな本数差と広々としたバスベイだけが残されることになったのです。
八木中学校前バス停の不思議な運行形態は、この地の路線バスが過去の様々な制約に適合しながらバスを運行し続けてきた歴史の名残りだったということですね。

8/24 西柏営ダイヤ改正
去る8月24日(月)、東武バスイースト西柏営業事務所では、柏の葉キャンパス駅西口を発着する以下の3系統のダイヤ改正が実施されました。
[西柏03] 柏の葉キャンパス駅西口~国立がん研究センター~流山おおたかの森駅東口
[西柏04] 柏の葉キャンパス駅西口~国立がん研究センター~江戸川台駅東口
[西柏05] 柏の葉キャンパス駅西口~柏の葉公園中央~高田車庫
今回のダイヤ改正では時刻変更にとどまらず、上記系統の運行形態にもいくつか小変化がありました。
①[西柏03]に国立がん研究センター止まりの区間便が新設
[西柏03]は柏の葉キャンパス駅西口から国立がん研究センター、東大西、十余二と柏の葉公園を周回した後、駒木、十太夫と住宅街を経由して流山おおたかの森駅東口を結ぶ系統です。
今改正では、朝夕を中心に柏の葉キャンパス駅西口~国立がん研究センターを往復する区間便が新たに設定されました。途中停留所はわずか3つという短距離系統です。
なお、上記区間便が設定された時間帯では、その引き替えか、[西柏03]のおおたか駅東口行や[西柏04]が若干減便されています。
改正当日の夕方にキャンパス駅西口に赴き、行先表示を中心に記録しましたのでご紹介します。

家路を急ぐ人が溢れる午後6時半、キャンパス駅西口1番乗り場案内ディスプレイの行先欄に「国立がん研究センター」の文字が表示されています。あまりにも運行区間が短く適当な経由地がないせいか、経由地欄が「__」表示になっています。
出発数分前、がんセンター方面からやってきた[西柏03]キャンパス駅西口行は、すぐに折り返し便である「[西柏03] 国立がん研究センター」に表示を切り替えました。

キャンパス駅西口で客扱いする[西柏03] 行先表示は折り返しに向けて切替済
車両:社2763(PJ-LV234L1)

前面の行先表示はいたって普通のデザインですが、上部の経由地欄が空欄になっているのが目立ちます。

側面表示器では、間2つの経由地欄は「←」表示でした。
時間帯が時間帯ということもあり、この便に乗車される方はいませんでした。朝の便や逆方向の便であれば、がんセンターへの通勤客等ある程度の需要があるものと思われます。




[西柏03]4パターンそれぞれの行先表示
上からおおたか駅東口行、十余二止まり(1本/日)、東大西止まり、がんセンター行
なお、[西柏03]には従来から十余二と東大西までの区間便が存在していました。そのため、今回のがんセンター行新設により、同じ[西柏03]の中に4つの運行パターンが存在する状態となりました。
1つの系統にこれほど多くの運行パターンが設定されているのは、東武バスイーストでは他に類を見ないことです。
もともと[西柏03]が柏の葉公園を循環する系統だったことも関係しているのか、現在のところ公園内で完結する系統は全て[西柏03]を名乗っています。
②国立がん研究センターに乗り場が増設
国立がん研究センター東病院の敷地内に所在する国立がん研究センター停留所に、新たに乗り場が増設されました。
国立がん研究センターは、今回ダイヤ改正が行われた[西柏03][西柏04]の上下両方向が経由するほか、[西柏01]柏駅西口~県民プラザ~国立がん研究センター、[柏44]柏駅西口~税関研修所~国立がん研究センターの始発地でもあり、更には柏駅~羽田空港線線の経由地でもあることから、発着する便数や系統数が非常に多くなっています。
また、国立がん研究センター東病院へ通院する人、見舞いに来る人、センターや周辺施設へ通勤する人等により旺盛な需要が存在し、特に朝夕は激しく混雑しています。
従来、国立がん研究センターでは全方面の便を1つの乗り場で捌いていましたが、上記のような背景もあってか、この度乗り場が増設され方面別に発着場所が分離されることとなりました。
改正直前と改正後の国立がん研究センターに赴き状況を記録しましたので、ご紹介します。
改正直前の様子

改正直前の国立がん研究センターの乗り場の様子です。路線バス用と高速バス用の2本のポールがそれぞれ確認できます。間に挟まれたブルーシートが被されたポールは改正後に使用するものと思われます。
この1つの乗り場で、キャンパス駅西口方面/東大西・おおたか駅東口・江戸川台駅東口方面/柏駅西口方面/羽田空港方面/柏駅方面の便をすべて捌いていました。

国立がん研究センターの改正前時刻表です。ここに記されているものに加え、10分に1本柏駅西口からの到着便がやって来るほか、上下合わせて11本の高速バスが発着します。

ポールには乗り場新設のお知らせが掲示されていました。
この掲示が示す通り、新たに「1番乗り場」が設置され、キャンパス駅西口方面/東大西・おおたか駅東口・江戸川台駅東口方面の便を受け持ちます。従来の乗り場は「2番乗り場」とされ、柏駅方面の便が発着します。

新設される1番乗り場は、この時点で既に屋根の設置、地面の舗装、ポールの設置が完了し、後は使用開始を待つばかりの状態でした。

国立がん研究センターに停車する[西柏04]柏の葉キャンパス駅西口行(改正前)
車両:社2743(PJ-LV234L1)
停車中の[西柏04]のキャンパス駅西口行です。改正後のキャンパス駅西口行は新設された1番乗り場から発着するため、この乗り場に停車する光景は過去のものとなりました。

国立がん研究センターに停車する[西柏04]江戸川台駅東口行(改正前)
車両:社2743(PJ-LV234L1)
折り返しの[西柏04]江戸川台駅東口行です。こちらも発着場所が変更されたたため過去帳入りした光景です。

国立がん研究センターに停車する[西柏03]流山おおたかの森駅東口行(改正前)
車両:社2721(PJ-LV234L1)
[西柏03]おおたか駅東口行です。同じく過去帳入りした光景です。

国立がん研究センターに停車する[西柏03]柏の葉キャンパス駅西口行(改正前)
車両:社2721(PJ-LV234L1)
[西柏03]キャンパス駅西口行です。
この画像のように、柏駅西口行とキャンパス駅西口発着系統で発着のタイミングが被ることが多々あり、その際はいずれか片方の便がポールからやや離れた位置に停車していたようでした。乗り場増設後はこうした対応も見られなくなったものと思われます。
改正後の様子
改正当日に現地を再訪し、状況を記録しました。

従来から設置されている2番乗り場の様子です。新しいポールがお目見えするとともに、古いポールが撤去されています。

真新しいポールには「②」の文字が記されています。

一方こちらは新設された1番乗り場です。ポールに被されていたブルーシートが外されるとともに、改正前には見られなかった角柱状の案内表示が設置されています。
撮影時は平日夕方ということもあり、国立がん研究センター東病院や周辺施設に勤めていると思しき人々による列が形成されていました。

国立がん研究センター1番乗り場に停車する[西柏04]柏の葉キャンパス駅西口行
車両:社2709(KL-LV280L1改)
新設された1番乗り場に停車中の[西柏04]キャンパス駅西口行です。乗客が非常に多く、この便では積み残しが発生していました。
乗り場の新設により停留所の混雑が緩和されるとともに、発着のタイミングが被ってもスムーズな乗降がなされているように見えました。
以上、2020年8月24日改正における東武バスイースト西柏営業事務所管内の小変化でした。
(1日1本のみの[西柏03]十余二止まり)


(1日1本のみの[柏08]松葉七丁目止まり(松葉五丁目先廻り))

【東武バス】2002年頃の沼南営業所の時刻表を再現してみた
Wayback Machine*1で東武バス関連のサイトを漁っていると、2002年~05年ごろまでのほぼ全てのバス停の発車時刻表が閲覧可能な状態でアーカイブされていることに気が付きました。


これはすごい。これだけのデータが残っていれば、当時のダイヤを時刻表のフォーマットにアウトプットできる……!
というわけで、実際に2002年頃の沼南営業所の時刻表を作ってみました。
ついでに、アーカイブサイトで調べたことや過去の記憶に基づいて
- 2002年時点での当該系統の運行状況
- 2002年から2020年の間の運行状況の変遷
についても系統別にまとめました。
- 0.2002年当時の路線網について
- 1.自衛隊循環・高柳駅発着系統([柏22][高柳01])
- 2.片山・手賀・布瀬方面系統([柏23][柏24][柏25][柏27])
- 3.沼南車庫方面系統([柏31])
- 4.名戸ヶ谷方面系統([柏20][柏26][柏28][柏29][南柏02])
- 参考文献
0.2002年当時の路線網について
まずは、沼南営業所とその2002年当時の路線網全体について、現在と比較しつつ概説します。
沼南営業所は、主に柏市南部(旧沼南町の町域を含む)を事業エリアとする東武バスイースト(2002年の分社化前は東武鉄道バス事業本部)の営業所です。
管轄路線は柏駅東口発着系統と南柏駅東口発着系統に大別され、柏駅からは市中部の名戸ヶ谷・新柏、旧沼南町の大津ヶ丘・片山・手賀・布瀬方面等に向かう路線が展開されています。
南柏駅からは光ヶ丘・増尾・中原・酒井根等の住宅街に向かう路線が展開されています。


上図は2002年と2020年の沼南営業所管轄路線を比較したものです。
一見してすぐに分かるのが、図中では右下付近にあたる沼南町方面の路線の衰退です。2002年の路線図では高柳駅や岩井を通る路線が確認できますが、これらの路線は統廃合され2020年では存在しません。
柏市エリアにも、千代田町や増尾駅付近に現存しない路線が見られます。いずれの路線も需要減などの理由により廃止されています。
一方、新柏駅を発着する路線、工業団地中央を経由する路線、南部クリーンセンターを発着する路線等は、当時まだ開業していませんでした。2002年以降、廃止された路線長には遠く及ばないものの、まちづくりや公共・商業施設の進出に合わせる形で、需要が見込めるところには新規路線が開設されたようです。
これらの変遷を踏まえたうえで、柏駅発着系統の2002年当時の時刻表を系統別に見ていきます。
※なお、本時刻表は各停留所の発車時刻表からデータを収集して作成している関係上、終着停留所の到着時刻が不明なため、これについては残念ながら記載しておりません。もしご存知の方がいらっしゃれば是非ご教示願いたいです。
1.自衛隊循環・高柳駅発着系統([柏22][高柳01])
1-1.2002年時点での運行状況

2002年以降に廃止された系統の中で最も路線長が長いのがこれらの系統です。
[柏22]自衛隊循環は、柏駅東口から[柏31]と同じルートを工業団地まで辿った後、R16をそのまま南下し、系統名にもなっている海上自衛隊下総航空基地の北側をぐるっと周り、高柳駅に立ち寄った後再び榎木戸から[柏31]のルートに合流して柏駅まで向かうという、長大循環系統でした。
循環系統ゆえに周回方向が異なる2通りの便が運行されており、先にR16側から周る便は「藤ヶ谷先廻り」、高柳駅側から先に周る便は「風早先廻り」と称されていました。ただし、東武バスの循環系統でしばしば見られる13時を境に周回方向が変わるダイヤは組まれておらず、どの時間帯でも両方向の便が運行されていました。
同じく[柏22]を名乗る柏駅東口~小野塚台線とは一部でルートが重複しているものの、全く別の系統として扱われていました*2。
[高柳01]は高柳駅と沼南役場北口を結ぶ系統で、自衛隊循環の区間便的な存在でした(ただし厳密には一部区間で通るルートが異なります)。

こちらが風早先廻りの時刻表です。
当時自衛隊循環は改正の度に減便が続いており、この頃は[高柳01]と合わせても片方面15本/日もないダイヤでした。
風早先廻りでは、系統名の通りに循環する便はこの時既に全廃され、高柳駅や藤ヶ谷新田発着の区間便が残るのみだったようです。平日では藤ヶ谷新田行が4本、高柳止まりが2本、[高柳01]が5本運行されていました。
時間帯別に見てみると、夕方~夜間は1.5hに1本くらいの本数が確保されているものの、朝~昼のダイヤはスカスカであり、非常に偏ったダイヤになっていることがわかります。特に始発便が柏駅東口12:04発で午前中の便が皆無ということには驚かされます。朝の通勤通学需要は東武野田線や一部でルートが重複していたちばレインボーバスに持って行かれていたのでしょうか。

一方こちらは藤ヶ谷先廻りの時刻表です。
風早先廻りよりも本数は少なく10本/日程度しかないですが、循環便が2本/日残されており、辛うじて循環系統の体裁を保っています。とはいえ[柏22]に限ってみれば午前中は朝の1本のみ、柏駅発の便(=循環便)が2本/日、区間便合わせても10本/日、という過疎ダイヤであることに変わりはありません。
高柳駅始発が4本、藤ヶ谷新田始発が1本、循環便が2本、[高柳01]が3本運行されていました。
1-2.その後の変遷
このようにローカル線ばりの過疎ダイヤで維持されていた当時の高柳・藤ヶ谷方面の系統ですが、それは減便に次ぐ減便によって作り出された最末期の姿でした。
この次の大規模なダイヤ改正(05年4月)では工業団地~藤ヶ谷新田~高柳駅間が廃止されて自衛隊循環は消滅、[柏22]は短縮されて柏駅東口~風早中学校~高柳駅を結ぶ路線となり、[高柳01]とともに生き残ります。
しかしそれも束の間、07年11月のダイヤ改正で両系統は共に廃止され、高柳・風早・藤ヶ谷地区から東武バスは完全に撤退することとなるのです。
その後同地には、柏市が運営する「かしわ乗合ジャンボタクシー」やデマンド型交通機関の「カシワニクル」が運行を開始、ジャンボタクシーは沼南庁舎バス乗継場にて既存の路線バスと連絡するシステムが整備されています。
それにしても、柏駅東口から1時間以上かけて再び柏駅東口に戻ってくるという遠大な循環系統が存在したとは、現在の路線網を見ていると隔世の感があります。一度は循環便に乗ってみたかったものです。
もっとも、渋滞が激しいルートを運行しているため定時性は低かったようなので、日常使いは御免ですが。
2.片山・手賀・布瀬方面系統([柏23][柏24][柏25][柏27])
2-1.2002年時点での運行状況

2002年当時、柏駅東口から片山・手賀・布瀬方面に向かう路線は4系統が運行されていました。
最も奥地にある布瀬集落に向かう路線が[柏25]柏駅東口~布瀬で、4系統の中で最長路線です。
[柏24]柏駅東口~若白毛~手賀と[柏27]柏駅東口~手賀の丘公園は[柏25]の実質的な区間便で、それぞれ途中の手賀、手賀の丘公園止まりでした。
[柏23]柏駅東口~岩井~手賀は[柏24]と同じ手賀行ですが、他の3系統とは異なり岩井・染井新田を経由するルートをとっていました。


上図は平日の布瀬方面時刻表です。全体では38本/日の便が運行されていました。駅→郊外方面の路線なので、夕ラッシュ時にやや偏重したダイヤとなっています。
行先経由別に内訳をみると、手賀の丘公園行が18本、若白毛経由手賀行が6本、岩井経由手賀行が5本、布瀬行が9本です。
手賀の丘公園行の多さが目立ちますが、これは朝ラッシュ時に7本もの本数が設定されていることが大きいでしょう。沿線に所在する沼南高校への通学需要に応えたものと思われます。
布瀬行と手賀行は同じくらいの本数で、夕ラッシュ時に多めながらも各時間帯に満遍なく運行されています。
若白毛経由と岩井経由の比に着目すると、33:5と岩井経由の便が圧倒的に少なく設定されていることが分かります。2000年頃のダイヤでは若白毛:岩井の比は26:15であり、岩井経由もそれなりの本数が設定されていたのですが、01年の改正で大幅に削減されてしまいました。
2-2.その後の変遷

片山・手賀・布瀬方面の系統はその後、系統数の面でも便数の面でも衰退の一途を辿っています。
まず、07年の改正で一気に[柏23][柏24]の2系統が廃止されます。代替として[柏25]が手賀を経由するようになりその任を継ぎましたが、岩井経由のルートは[柏25]には受け継がれず廃止されました。
その後も改正毎に本数が削減される傾向にあります。現在では[柏25]が8本、[柏27]が13本、計21本が運行されていますが、これは02年当時の半分強ほどの本数です。
路線バス撤退後の岩井ルートについては、柏市が運営し東武バスイーストが実際の運行業務を受託する「かしわコミュニティバス」の路線が開業しましたが、5年半ほどで廃止されました。現在では先述の「カシワニクル」の乗降場所が設置されるに留まっています。
3.沼南車庫方面系統([柏31])
3-1.2002年時点での運行状況

2002年当時、沼南車庫を発着する系統は[柏31]柏駅東口~沼南車庫1つのみでした。ルートは現在とほとんど変わっていません。

上図は平日の柏駅東口方面の時刻表です。現在の繁栄ぶりからは想像もできないことですが、当時[柏31]の柏駅方面はわずか22本/日しか運行されていませんでした。
当時の[柏31]は出入庫系統の色が強く、出庫系統にあたる柏駅東口方面では、1日の半分弱の便が出庫車の多い7時半より前の時間帯に沼南車庫を出発していました。
8時以降は1~2時間に1本くらいのペースで運行されていたのですが、突然10分間隔になったり最終便が18:50発だったりと、いかにも出入庫系統らしい、お客ではなく出庫するバスの都合に合わせたダイヤの組み方がなされていて面白いです。
3-2.その後の変遷

[柏31]にとって転機となったのは2016年のダイヤ改正です。沿線に大規模商業施設が開業したことを受けて、[柏31]はそのアクセスを担う路線として大幅に増回されることになりました。この結果、一気に柏駅東口の最多運行系統に躍り出ることになります。
更に、沼南工業団地の再開発に合わせて工場労働者を輸送する系統が新設されることとなり、新たに工業団地内を経由する[柏35]柏駅東口~工業団地中央~沼南車庫も開業しました。
現在では[柏31][柏35]合わせて平日柏駅方面は83本/日(深夜バス含む)もの便が運行されており、沼南営業所の基幹路線としての地位を確かなものとしています。
4.名戸ヶ谷方面系統([柏20][柏26][柏28][柏29][南柏02])
4-1.2002年時点での運行状況

2002年当時、柏駅東口と名戸ヶ谷の間を結ぶ系統は3つ存在しました。
[柏20]柏駅東口~千代田町~名戸ヶ谷は千代田町を経由して名戸ヶ谷に向かう系統です。
もともと[柏20]は、柏駅東口から千代田町・常盤台・泉町を経由して柏駅に戻ってくる緑ヶ丘市内循環という系統でした。しかし2001年のダイヤ改正で緑ヶ丘循環は廃止され、[柏20]は緑ヶ丘まで緑ヶ丘循環の東側ルートを走行した後に名戸ヶ谷に向かう系統に衣替えしています。
[柏28]柏駅東口~常盤台~名戸ヶ谷は市内循環の西側ルートを走行した後に名戸ヶ谷に向かう系統で、[柏20]と対になるようなルートをとっていますが、こちらは市内循環廃止前から一定の本数が設定されていました。
一方、[柏29]柏駅東口~新田原~名戸ヶ谷は柏駅東口から県道51号線を経由して名戸ヶ谷に向かう系統で、3系統の中では最短経路で名戸ヶ谷にアクセスできる系統でした。
このほか、[南柏02]柏駅東口~南柏駅東口~酒井根が[柏28]と、[柏26]柏駅東口~逆井入口~南柏駅東口が[柏29]と、それぞれ一部ルートを共有していました。両系統とも名戸ヶ谷停留所には停車しませんが、関連する路線として時刻表に掲載しました。


こちらは平日名戸ヶ谷方面の時刻表です。全日に渡って比較的高頻度で発着するダイヤが組まれていることがわかります。
3系統のうち最も本数が多いのは常盤台経由の[柏28]で、59本/日が運行されていました。おおむね毎時3本以上設定されており、旺盛な需要が窺えます。
千代田町経由の[柏20]と新田原経由の[柏29]はそれぞれ8本/日、11本/日と同程度の本数が設定されていました。
並行する系統が豊富な[柏29]はともかく、[柏20]は日常使いするにはやや不便なダイヤですが、裏を返せば当時それほど需要が先細っていたということでしょう。緑ヶ丘市内循環が廃止されたのは、このような需要の偏りによるところが大きかったと推測されます。
並行している[柏26]と[南柏02]は、それぞれ6本/日、4本/日が運行されていました。お世辞にも充実した本数とは言い難いですが、免許維持路線と言い切れるほどの本数ではないあたりから、一定の需要の存在が推測されます。
4-2.その後の変遷

名戸ヶ谷方面は現在でもかなりの本数が確保されていますが、系統面での変化が大きいです。
3系統中最も本数の少なかった[柏20]は需要減により2014年の改正で廃止されてしまいました。
次いで本数の少なかった[柏29]は上り1本まで削減されましたが、2014年に新規開業した[柏33]柏駅東口~新柏駅がそのルートを踏襲し実質的な後継系統として機能しています。
[柏33]は20本/日が運行されているほか、既存ルート途中(新田原~亀甲台入口間)に新規停留所(あかね町東)が開設されるなど、需要の掘り出しに向けて積極的な姿勢が目立ちます。
[柏28]のドル箱ぶりは相変わらずなようで、今でも夕方の柏駅東口にはよく列ができています。ただし、本数は現在では51本/日と微減傾向にあります。
[柏26]と[南柏02]は、それぞれ3本/日、1本/日と本数を減らしています。とりわけ[南柏02]は免許維持系統と言って差し支えないレベルまで削減されており、[柏26]ともども今後の去就が注目されます。
とりあえず4系統分だけ作成してみました。やる気が出れば他の系統も作ってみます。
ご覧いただきありがとうございました。
参考文献
- 東武バス公式webサイト http://www.tobu-bus.com/pc/index.html
- Wayback machine内の東武バス公式webサイトのアーカイブ http://web.archive.org/web/20020802211506/http://www.tobu.co.jp/bus/index.html とか
- 記憶